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■Pattems of Plants
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TZADIKからの第二弾CD。2007年10月の自由学園明日館「モノフォニー・コンソート」公演での笙や筝、ヴァイオリン演奏によるライブ録音盤。無伴奏ヴァイオリンのための第14集や最新作の第17集、第18集を収録。
TZADIK
2008
定価:¥2,500(税込価格)
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■藤枝守:クラヴィコードの植物文様
砂原悟(クラヴィコード)
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「植物の声」がうめこまれた《植物文様》。バッハの時代の鍵盤楽器、クラヴィコードによって《植物文様》は「フラジャイルな響きの綴れ織り」に変容する。
Milestone
Art Music
定価:¥2,500(税込価格)
詳細のご案内 
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かすかな響きにふれる 〜クラヴィコードの魅力
さまざまな音に取り囲まれた環境のなかで生活していると、かすかな音に気づかないことがあります。いっけん静かな部屋のなかにいたとしても、空調や冷蔵庫などからの機械音は、かすかな音を覆い隠してしまい、われわれは、かすかな音にふれる機会を失っているようにみえるのです。
かすかな音がもつ魅力に気づいたのは、じつは、クラヴィコードという小さな鍵盤楽器に出会ったことがきっかけでした。あるとき、チェンバロの見本市のような催しに出かけました。さまざまなタイプのチェンバロが並べられた会場で、バッハの有名な《ゴールドベルク変奏曲》が演奏されたのですが、変奏曲ごとに異なるチェンバロが弾き分けられていきました。ただし、冒頭と最後に現れるテーマだけは、クラヴィコードによって演奏されたのです。バッハも愛用したといわれクラヴィコードは、17、18世紀のヨーロッパに広まった楽器で、タンジェントという金属片によって弦を押し上げる発音メカニズムをもち、弦を引っ掻くチェンバロやハンマーで叩くピアノとまったく異なった音を生み出します。そして、その響きは、きわめて小さいのです。
《ゴールドベルク変奏曲》の演奏された会場は、けっして音がよく響くような環境ではなく、また、来場者も多かったので、このクラヴィコードの音はかき消されてしまうのではと思われました。しかしながら、そのかすかな音に耳をそばだてていくうちに、次第にその細やかなニュアンスをもった響きが鮮明にきこえてきたのです。さらに、そこに居合わせた多くの人たちも同じようにクラヴィコードに集中している様子で、そのかすかな響きにわれわれ全員の意識が吸いよせられているような不思議な一体感を体験することができました。
われわれは、コンサートホールのように響きが整えられ、外部からの音が遮断された空間で音楽を聴くことが当然だと思っています。このような空間で聴くオーケストラは、たしかにその壮大な響きでわれわれを圧倒します。そして、前面
の舞台からやってくるオーケストラの響きを体全体で受けとめ、その響きに身を委ねるという楽しみもあります。しかしながら、このような閉鎖された空間で聴く壮大な響きには、なぜか拘束的で排他的な力がはたらいているような気がするのです。たとえば、会場内にいる人たちが不用意にたてた音がみょうに気にさわったり、自らも周りに対して異常に気をつかったりしてします。
クラヴィコードの響きを体験して以来、かすかな音の魅力を考えるようになりました。あのときに味わった一体感は何だったのか。耳をそばだてていくうちに意識が研ぎ澄まされていくような感覚は、どうして生み出されたのか。なぜ、周囲からの音がそれほど気にならなかったのか。
この十年間くらい、《植物文様》という作曲シリーズを続け、東京では、フランク・ロイド・ライトの設計で有名な自由学園明日館などで公演を定期的に開催しています。《植物文様》には、ピアノやチェンバロのための曲集もあり、ピアニストの砂原悟さんによってよく演奏されていました。2年ほど前に砂原さんからクラヴィコードで《植物文様》を演奏してみたらどうだろうという提案があり、以前のかすかな響きの記憶がよみがえりました。そして、明日館のラウンジホールで「クラヴィコードの植物文様」という公演が実現しました。
ライトのデザインによる大きな窓が特徴的なラウンジホールは、50-60人でいっぱいになる空間ですが、クラヴィコードの響きにふれるには程よい大きさでした。砂原さんによる《植物文様》の演奏は、休憩をはさんで70-80分くらい。はじめは、観客の方々もクラヴィコードのかすかな響きに戸惑いを感じているようでしたが、次第にその響きに馴染んでくると、会場全体が心地のよい緊張感に満たされていくようでした。時より、外からきこえてくる車のエンジン音もクラヴィコードの響きに呼応しているようでした。演奏後、ある方から窓越しにみえる月のゆっくりとした運行をみながら聴きましたというコメントもいただきました。クラヴィコードが醸し出すかすかな響き。その響きにふれるうちに、それまで気づかなかった気配を感じ、その場で起きているさまざまな出来事を素直に受け入れられるようになる。このことが、クラヴィコードの魅力かもしれません。
その後、ギャラリーや教会、能楽殿などで「クラヴィコードの植物文様」の公演を続けています。
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